『服が汚れるから争わない』平和を愛する“サプール文化”とは

ファッション

こんにちは!福岡のアパレル会社で働くmocchiです。

先日、福岡パルコで行われていたイベント『THE SAPEUR studio』に行って来ました!このイベントは、コンゴで継承されるファッション文化‘‘サプールを題材にしたもの。

ところで、皆さんは‘‘サプール‘‘をご存じでしょうか?

私は、このイベントをきっかけに“サプール”を知り、今までよりさらにファッションが大好きになりました!!

皆さんにも、ぜひこの文化を知っていただきたいのです!そこで今回は“サプール”とはどういう文化なのか、パルコで行われていた『THE SAPEUR studio』の様子も含めて紹介していきたいと思います。

コンゴで90年以上続く独自のファッション文化“サプール”とは

ファッションが好きで、かれこれアパレル関係の仕事に携わって数年経ちますが、私自身“サプール”は初耳の単語でした…。

サプール(SAPEUR)というファッション文化は、コンゴ共和国およびコンゴ民主共和国が発祥です。長年紛争に苦しむコンゴは、現在でも武装勢力等による略奪や拷問、性的暴行などの著しい人権侵害が止まないといいます。

ではなぜ、そのような国で“サプール”というファッション文化ができたのでしょうか?

そもそも “サプール” とは、ハイブランドのスーツを身にまとい街を練り歩く紳士たちのこと。しかしながら、ただ単にファッションだけを楽しんでいるのではありません。彼らは「服が汚れるから争わない」という、なんともシンプルな平和のメッセージを発信しているジェントルマンなのです。

発祥の諸説は様々ありますが、有力なのは社会活動家であったアンドレ・マツワが、フランスから戻る際に、パリのジェントルマンの装いをしていたことで、コンゴ人たちの賞賛を浴び、自分たちの平和信仰を「ファッション」と結びつけて表現することになったという説です。

ちなみにサプール(SAPEUR)とは、「お洒落で優雅な紳士協会」という意味のフランス語(Société des Ambianceurs et des Personnes Élégantes)の頭文字を省略したもの。彼らのファッションは、サップと呼ばれています。

『THE SAPEUR studio』 でさらに知った ‘‘サプール‘‘の魅力とは?

期間限定で開催されていた『THE SAPEUR studio』は、2015年から現地に赴き取材を重ねサプール文化の伝道師と言われているSAP CHANOさんの写真作品、またオリジナルグッズを購入できるイベントです。

壁一面に“サプール”の写真が展示されていました。

残念ながらこのイベントは終了していますが、そこでは“サプール”の魅力をより深く知ることが出来ました。

カラフルでおしゃれでカッコいい

こちらは展示されていた『THE SAPEUR studio』 ×『BEAMS』のコーディネート。いや~めちゃめちゃオシャレですよね~。特に色の使い方が勉強になります!

なんでも、“サプール”のファションには3色以内でコーディネートするというルールがあるそうです。カラフルですが、着こなしがまとまって見えるのにはこういった理由があったんですね!

マネキンが着ているジャケットは、イベントで実際に購入できるようになっていました。

日本のファッションアイテムに比べて、色鮮やかなアイテムが多いのは“サプール”が何よりも「色」を大事にしているから。彼らにとって、カラフルであることは自由と平和の象徴なのです。

心に刺さる“サプール”のメッセージ

写真に添えられている、“サプール”の方々が語るメッセージにはとても心に刺さるものがありました。

例えば、男性サプールが横一列に並ぶ上の写真に添えられていたのはこの言葉。

軍靴を響かせ行進するのでなく、ブランドスーツを身にまとい、軽やかにステップを踏むことこそ平和の尊さ、サプールの喜びなんです。

Severin Mouyengo·元公務員61歲

「争いはなにも生まない」という事を戦争を間近で体験した彼らだからこそ、平和であることの大切さをファッションで表現しているのだと感じました。オシャレができる事の喜びは、平和だからこそ味わえるのです。

そして、“サプーズ”(女性版サプール)の言葉で印象に残った物がこちら。

女性サプールは男性と同じ着こなしをするの。だから男性に勝るとも劣ることもない。すべて平等なのよ。

Nkouka Hombessa Blandineㆍ洋服販売 38歳

現在にも残る、男尊女卑の考え方や偏った女性観。そんな女性観に対し、他のある“サプーズ”の方は、「こういった格好をして、そんな古い価値観に挑戦するの」とも語っていました。

平和の大切さだけではなく、“男女みな平等”という思いが写真越しでも彼女たちから、熱く伝わってきます。

関連グッズも素敵!!

写真がプリントされているTシャツや、“サプール”にインスパイヤされたブランド「GRAMAS」のアイテムが販売されていました。ビビットなカラーが可愛いですね♪

オンラインショップでも販売していたので、今回のイベントに行けなった方は是非チェックしてみて下さい!

ファッションの可能性って無限大!!

いかがでしたか?サプール文化の魅力は伝わったでしょうか。

私がファッションを好きな理由は『自分に自信が着く』から。オシャレをして気飾ると、普段とは違う新しい自分に出会えた気がするのです。

そしてサプールを知り、もう1つファッションが好きな理由が増えました。その理由は『ファッションの力は無限大』だから。

「ファッションで世界を平和に出来る!」と平和・平等を願うサプール・サプーズを見ていると、本気でそう思います。

ファッションの偉大な可能性に気づかせてくれた“サプール”。もっともっと世界中に広まって欲しい!!