《タイに行きたい》

ファッション

「タイに行きたい。」

昨年からの私の口癖だ。半数位の人には「タイに行きタイ。」と笑われるけれど、それにツッコミや笑いで返す余裕が無い程には切実にタイに行きたくて堪らない。

そもそもの始まりは2020年春、コロナ渦でタイに友人ができた。緊急事態宣言で仕事は休業。趣味に勤しもうと思っても、元々某日本のダンスグループを推している私はライブがあれば東京、イベントがあれば大阪、ファンミーティングがあれば台湾と各地を飛び回る日々だった為、続々と送られてくる《中止》《延期》のお知らせに私は途方に暮れていた。

推しに会えずとも、推しの話がしたい。思い立ったら即行動の私が出逢えたのがタイに住むタイ人のお姉さん。どうやって出逢ったの?とよく聞かれるけれど、簡単に言えばSNSでナンパをしてみた。普段はこんな事をしたことがないけれど、恐らくあの非日常な生活に私も少なからずフラストレーションを感じていたのだと思う(ということにしている)。彼女のSNSを見て同じグループを応援していることは分かったので、Google翻訳に頼りきった英語を使いコメントを送った。それから同じ《好き》を持つパワーなのか、自粛期間が終わった今もLINEやビデオ通話をして関係は続いている。推しの話は勿論、家族や仕事の話等、様々な話をしてきたが、タイ、というより海外の友達が初めての私は、彼女の話に多くの発見がある。

最近印象的だったのは、日本人の服装について。彼女は2019年末、初めて推しのライブを観るために一人で初来日したと言う(初海外だったらしく、行動力がすごい!)。日本に降り立ち、一番びっくりしたのが日本人の服装とのこと。どういうこと?と尋ねれば、これまで日本のアイドルやアニメを観ていた彼女は、カラフルな髪型や衣装の推し達を観て、当然日本人とはそういうもの、と思っていたらしい。しかし周りを見渡せば、黒、黒、とにかく黒を纏った会社員のスーツ姿にショックを受けたと悲しい絵文字と共に綴られていた。「Shocked!!日本人 rarely wear bright colored clothes?(日本人てめったに明るい色の服着ないの!?)」と言われた私も少なからずショックを受けた。どうしてアニメのようにカラフルじゃないの?と言われても、アニメは別次元だから…、と答えるのは簡単だがそれは何だか寂しい気もする。スーツは社内というか日本の規則でね、というのも答えとしてピンと来ない。ましてや彼女の言う「黒だった」は「(格好良くクールな)黒だった」でなく、「黒(くて地味)だった」の黒だと思う。だから日本は今ベーシックなカラーがトレンドでね、と言うのも憚れる。だってファッションじゃないもん、きっと。終いには優しい彼女に「冬だったからだよね。日本人は季節に沿った色を着ると今は理解しているよ!」と気遣われてしまった。違う違う違う!そうじゃない~の曲が見事に脳内に流れてしまった。

 「タイはどう?」と聞くと「タイ人は大抵皆んなカラフルな色の服が好き。特に若い子より年配の人の方がカラフルだよ。」と言われ、純粋にワクワクした。タイファッションについてはドが付く初心者だが、《Sretsis》や《DISAYA》、《Pomelo》等のタイブランドや通販サイトは率直な感想として太陽の下で似合う色合いが多い。日本のファッションも大好きだし、卑下するつもりは全く無いが、服は専ら推しカラー(推しているアイドル等のイメージカラーのこと)が好きな私にとっては、このひと目で色が飛び込んでくる服達はどうしたって心惹かれてしまう。タイモデルさんやブランドのインスタ、ドラマ等を漁り続けた結果、時間だけはあるはずの自粛生活なのに毎日寝不足だった。そして睡眠時間に比例して増すタイへ行きたい欲。

ネット通販の時代と云えど、日本に出店してるタイのファッションブランドの数が少ないのは少し寂しい。何より私が買いたいのに気軽に買えないのが切ない。だからタイに行ったらファッションモールに行ってタイブランドを着たり、お洒落なカフェ(インスタグラム文化なのか映えなカフェをよく見かける)で、ひたすら街中のファッションを眺めてみたい。勿論大好きなタイ料理も!もしかしたら友達のように実際に行けば理想とは違うのかもしれないが、今はとりあえずまだまだ手の届かない場所に恋をしている。

あ~、早くタイに行きたい!!!

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